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9 交通犯罪受刑者の処遇 交通犯罪受刑者の収容状況な業過(その大多数は,交通犯罪によるものである。)及び道路交通法違反の新受刑者について,刑名・刑期・罪名別に見たものが,III-46表である。最近の傾向として,刑名別に見ると,懲役受刑者の数が増加し,禁錮受刑者の数が減少している。昭和57年では,前年に比べて,懲役受刑者は180人,禁錮受刑者は79人の減少となっており,交通犯罪によって入所した受刑者の中で,懲役受刑者の占める比率は88.9%となっている。
交通犯罪受刑者については,一定の基準により特定施設に集禁して開放的処遇を実施している(禁錮受刑者については,昭和36年から実施していたが,交通犯罪による懲役受刑者の増加に伴い,51年から懲役受刑者の集禁が行われるようになった。)。その集禁基準は,開放的処遇が適当と判定された成人の受刑者で,[1]交通事犯以外の犯罪による懲役刑を併有しないこと,[2]交通事犯以外の犯罪による受刑歴がないこと,[3]刑期がおおむね3月以上であること,[4]心身に著しい障害がないことの諸条件を満たすものとされている。 集禁施設における開放的処遇は,生活指導,職業訓練,職業指導等を活発に行うことにその特色がある。生活指導については,遵法精神,人命尊重及び責任観念の養成に重点が置かれている。職業訓練としては,自動車運転科・整備科のほかに,左官,溶接,ボイラー運転,電気工事,農業及び園芸などの訓練を実施している。また,職業指導については,各人の自動車運転に対する適性,将来の生活設計などを考慮して,職業技能の開発が行われており,自動車の運転適性がないと認められる者及び自動車運転の職業から転職することを希望する者に対しては,転職指導を積極的に実施している。 III-46表 交通犯罪新受刑者の刑名・刑期・罪名別人員(昭和55年〜57年) |