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 昭和58年版 犯罪白書 第2編/第2章/第1節/1 

1 性別,年齢,住居及び職業

 犯人の属性のうち,全対象者について調査のできた性別,年齢層,住居及び職業の有無を見ると,II-32表のとおりである。性別では,強盗及び強姦の大部分が男子であるのに,殺人では女子が18.4%を占めている。なお,強姦の女子1人は,男子との共謀による事案である。年齢層別に見ると,殺人では,30歳代が最も多く(37.2%),40歳代(26.9%)がこれに次いでおり,壮年者の占める割合が高い。これに対して,強盗及び強姦では,20歳代が最も多く,それぞれ41.6%,54.4%を占めている。ちなみに,司法統計年報によって,これら3罪種について有罪人員の犯行時年齢別構成比の推移を見ると,殺人では,昭和30年代には,20歳代の者の比率が全体の5割強を占めて最高であったが,その後,ほぼ一貫して低下傾向を示し,53年には34.3%となり,30歳代の者の占める比率(38.2%)と順位が逆転し,以後同様の傾向が続いている。強盗及びわいせつ・姦淫等の罪を見ても,30年代には,20歳代の者の占める割合が前者で7割強,後者で7割弱であったが,殺人と同様にその後低下し続けて,現在に至っている。
 住居の有無では,殺人及び強姦の場合,住居のない者は,それぞれ9.6%,6.4%にすぎないのに,強盗の場合は30.4%と非常に高くなっている。職業の有無では,無職の者が,強盗では51.5%と過半数を占め,殺人では41.9%であるのに対し,強姦では25.3%と殺人,強盗に比べ低い比率となっている。

II-32表 暴力犯罪者の属性等(全国)