最後に,このような通り魔事件による被害者又はその遺族に対する救済などを目的とした犯罪被害者等給付金支給法(昭和55年法律第36号)の運用状況について触れておく。
この法律は,人の生命又は身体を害する犯罪行為により,不慮の死を遂げた者の遺族又は重障害を受けた者に対し,国が犯罪被害者等給付金を支給することを内容とするもので,昭和56年1月1日から効力が発生している。
II-27表 通り魔事件の被害者の性別・年齢層別人員(昭和57年)
この制度の昭和57年における運用状況について,犯罪の件数及び犯罪被害者の人数を基準にして見ると,申請件数は140件(被害者数158人),裁定のあったものは前年申請分も含めて116件(同129人),うち支給裁定のあった103件(同115人)の給付金の裁定額合計は3億9,259万5,399円,仮給付決定のあったものは3件(同4人),その決定額合計は447万7,086円となっている。裁定1件当たりの平均額は381万1,606円,裁定に係る被害者1人当たりの平均額は341万3,873円である。