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 昭和58年版 犯罪白書 第1編/第3章/第2節/1 

第2節 精神障害者の犯罪

1 概  況

 昭和57年における交通関係業過を除く刑法犯検挙人員は,I-62表のとおり,44万1,963人(成人25万33人,少年19万1,930人)で,このうち,「精神障害者」又は「精神障害の疑いのある者」(精神障害のため自傷他害のおそれがあるとして精神衛生法第24条に基づく都道府県知事への通報の対象とされた者)は2,664人(成人2,470人,少年194人)である。なお,警察官から精神衛生法第24条に基づき都道府県知事に通報された者のうち,62.1%は精神衛生鑑定医の診察の結果,精神障害者と鑑定されている(後出83ぺ一ジ,I-64表参照)。検挙人員中に占める精神障害者及びその疑いのある者の比率は0.6%(成人1.0%,少年0.1%)であるが,罪名ごとの比率を見ると,殺人で9.3%,放火で16.8%と目立って高くなっている。

I-62表 刑法犯検挙人員中精神障害者の罪名別人員(昭和57年)