非行少年に占める再犯者の比率及び再犯少年の前回処分別の主要な内訳を最近5年間について見ると,III-21表のとおりである。昭和56年では,再犯者の比率は前年よりわずかに減少して27.1%となっている。しかし,再犯者の実数は逐年増加しており,初犯者の非行が著しく増加していると同時に,再犯者による非行も着実に増加していると言える。再犯者の前回処分別内訳では,審判不開始・不処分が4割を超えており,その比率は5年間に42.8%から46.1%に上昇している。
III-21表 非行少年再犯者の前回処分別刑法犯検挙人員(昭和52年〜56年)
III-22表 前回処分後の再犯期間の推移(昭和52年〜56年)
III-22表は,再犯少年について,前回処分から本件犯行に至るまでの再犯期間を最近5年間について見たものである。再犯期間が1年未満の者の比率の合計は,昭和52年が69.5%,53年が68.8%,54年が69.5%,55年が72.5%,56年が73.2%と上昇傾向にあり,再犯に陥る速度が早まっていると言える。