刑務所及び少年刑務所は，自由刑としての懲役，禁錮及び拘留の執行並びにその間の受刑者の処遇を主要な任務とする刑事施設であり，行刑施設とも言われる。行刑施設としては，ほかに主として未決拘禁者(勾留中の被疑者及び被告人をいう。以下同じ。)を収容する拘置所がある。
　行刑施設の数は，昭和56年4月1日現在で，本所74(刑務所58，少年刑務所9，拘置所7)，支所115(刑務支所9，拘置支所106)である。III-28表は，これら行刑施設の1日平均収容人員を，40年，45年，50年及び最近2年間について見たものである。1日平均収容人員は，50年に，戦後最低の4万5,690人であったが，51年から漸増傾向に転じたものの，55年は5万596人で，前年より253人減少している。このうち，受刑者は，全収容者の83.3%に当たる4万2,142人で，前年に比べて101人増加している。一方，未決拘禁者は8,285人で，前年よりも341人の減少となっている。なお，55年12月31日現在における刑務所及び拘置所の収容定員は6万1,522人，収容人員は5万706人であり，収容率(収容定員に対する収容人員の百分比)は82.4%(うち，受刑者の収容率は90.4%)である。

III-28表　行刑施設1日平均収容人員(昭和40年，45年，50年，54年，55年)

III-29表　受刑者の人出所事由別人員

　次に，受刑者の人出所状況を見たのが，III-29表である。昭和55年における入所人員は2万9,773人であるが，このうち，新受刑者(裁判の確定により，新たに入所した懲役・禁錮・拘留の受刑者及び死刑の執行を受けた者をいう。以下同じ。)は，2万8,374人で，仮釈放の取消しなどによる復所者は1,399人である。
　出所人員は3万215人で，その内訳は満期釈放者が1万4,140人，仮釈放者が1万5,202人，その他刑の執行停止などによる出所者が873人である。満期釈放者と仮釈放者との比率は48.2%と51.8%である。