III-3表は，昭和55年における業過及び道交違反を除く被疑者の逮捕・勾留の状況を罪名別に示したものである。逮捕関係では，検察庁既済事件のうち，身柄事件(警察で逮捕して身柄で送致した事件及び検察庁で逮捕した事件)の占める比率(身柄率)は20.1%であり，在宅事件(警察で逮捕後釈放した事件及び逮捕しなかった事件)の占める比率は79.9%である。54年と比較すると，身柄率は0.5%増加している。55年における罪名別の身柄率を見ると，強姦の64.9%が最も高く，以下，強盗(58.9%)，覚せい剤取締法違反(46.9%)，恐喝(46.2%)の順となっている。勾留関係では，身柄事件のうち，検察官によって勾留請求された事件の占める比率(勾留請求率)は，総数では80.5%(前年は81.6%)であるが，罪名別では，殺人(99.7%)を最高として，以下，覚せい剤取締法違反(96.6%)，強姦(93.3%)，恐喝(89.7%)，強盗(89.6%)の順となっている。勾留請求事件のうち，裁判官によって勾留が許可された事件の比率(勾留許可率)は，総数で前年同様99.5%と高い比率となっている。

III-3表　罪名別検察庁既済事件の逮捕・勾留別人員(昭和55年)