第3節 過激派集団の犯罪
1 概 況 昭和54年における過激派集団の活動は,6月の第5回主要先進国首脳会議(東京サミット)反対闘争と,9月から12月までの新東京国際空港(成田空港)闘争が中心となった。反サミット闘争では,時限式発火物などを使用したゲリラ事犯が多発し,特に,迎賓館前火炎トラック突入事件(6月8日),ホテル・ニューオータニ発火物事件(6月28日),成田闘争では,千葉県下のジェット燃料輸送列車襲撃事件(10月10日)をはじめ,航空無線通信妨害,電話ケーブル切断などの悪質な不法事犯が続発した。また,10月29日には,小型トラックに積載した時限式火炎放射器による東京検察合同庁舎襲撃事件が発生した。 いわゆる内ゲバ事犯は前年より減少したが,爆弾事件は前年より増加した。日本赤軍による国際テロ事件は,昭和54年においても発生しなかった。
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