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 昭和53年版 犯罪白書 第1編/第2章/第6節/2 

2 外国人犯罪

 我が国に在留する外国人は,昭和52年12月末日現在外国人登録法に基づき登録されている者だけで76万2,050人であり,そのうち,65万6,233人(86.1%)は,韓国・朝鮮国籍を有する者である。
 I-54表は,昭和48年以降最近5年間における検察庁新規受理人員中に外国人の占める比率を示したものである。52年には,刑法犯・特別法犯共に外国人受理人員が減少し,比率も低下している。
 その昭和52年における主要罪名別検察庁新規受理人員中に外国人の占める比率を,前年との対比において示したものがI-55表である。外国人の占める割合の高いのは,外国人登録法,出入国管理令の各違反を除けば,関税法,大麻取締法,麻薬取締法等の各違反であるが,ここで注目を引くのは,52年においては,麻薬取締法違反及び大麻取締法違反の外国人の比率が著しく減少していることである。麻薬取締法違反における外国人の占める割合は,前年は41.5%であったのに対して,52年は17.6%にすぎず,大麻取締法違反では51年の46.6%に対して52年は25.0%に減っている。特に,大麻取締法違反では,検察庁新規受理人員総数の大幅な増加にもかかわらず,そのうち外国人はかなり減少している。覚せい剤取締法違反については,外国人受理人員数は213人(27.8%)増加したが,受理人員総数が6,357人(36.6%)も増加したので,外国人の受理人員総数中に占める割合は,むしろ減少している。麻薬取締法違反については,受理人員総数も3.9%減少し,外国人受理人員は59.3%も減少したので,前述のとおり,外国人の比率は激減している状況にある。

I-54表 検察庁新規受理人員中外国人の占める比率(昭和48年〜52年)

I-55表 主要罪名別検察庁新規受理人員中外国人の占める比率(昭和52年)

I-56表 日本人国外犯の罪名別通報受理件数(昭和42年〜52年)

 刑法犯では,公務執行妨害の受理人員総数の増加が見られるのに,外国人受理人員数は減少している。これに対して,殺人及び詐欺・背任では,受理人員総数が減少しているのに,外国人受理人員数は若干ではあるが増加している。