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 昭和52年版 犯罪白書 第3編/第3章/第3節/3 

3 保護観察

 過去5年間に全国の保護観察所で新たに受理された保護観察事件のうち,女子だけを掲げると,III-110表のとおりである。昭和51年は,その前年に比して増加しているが,5年間を通じて見ると,ほぼ横ばい状態にあると言える。
 昭和51年の保護観察終了者中,女子について終了時の就業状況を見ると,III-111表のとおりである。女子の場合,男子に比べて,サービス業従事者と家事従事者が多く,他方,技能工・生産工程従業者が比較的少ないことなどが職業上の特色である。

III-110表 女子の保護観察対象者新規受理人員(昭和47年〜51年)

III-111表 女子保護観察対象者の就業状況(昭和51年)

 昭和51年の保護観察終了者中,女子についていわゆる良好措置を受けた者の比率を男子と比較すると,解除された保護観察処分少年は,男子の56.7%に対して女子は45.9%,退院を許された少年院仮退院者は,男子の5.0%に対して女子は8.5%,仮解除のまま期間満了した保護観察付執行猶予者は,男子の10.9%に対して女子は10.1%である。
 同様に,昭和51年の保護観察終了者について,いわゆる不良措置を受けた者の比率を比較すると,再非行等により保護処分を取り消された保護観察処分少年は,男子の7.7%に対して女子は6。6%であり,同じく保護処分を取り消された少年院仮退院者及び少年院に戻し収容された少年院仮退院者は,男子の16.2%に対して女子は10.1%である。仮出獄の取消しを見ると,男子の5.8%に対して女子は3.2%であり,執行猶予の取消しは,男子の29.2%に対して女子は19.3%である。
 以上を総合すると,いわゆる良好措置を受けた者の比率については,男女いずれが高いとも言えないが,いわゆる不良措置を受けた者の比率については,女子の方が低いと言えよう。