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1 被疑事件の受理 昭和49年における全国の検察庁の新規受理人員(新規に検察官が受理した司法警察員等からの送致・送付に係る人員及び検察官の認知・直受に係る人員をいう。)は286万2,574人で,前年より8万512人減少している。これを,刑法犯(準刑法犯を含む。),道路交通法違反及び自動車の保管場所の確保等に関する法律違反(道交違反)並びに道交違反以外の特別法犯(その他の特別法犯)の別に,48年の数と対比して示すと,II-1表のとおりである。総数のうち,刑法犯は29.9%を占め,道交違反は65.3%,その他の特別法犯は4.9%となっている。これを前年と比較すると,道交違反が1.0%増加しているが,その他の特別法犯が2.3%,刑法犯が10.0%それぞれ減少し,総数では2.7%の減少となっている。刑法犯の新規受理人員数は,46年以降減少を続けているが,これは,主として業務上(重)過失致死傷の受理人員が減少しているためである。特別法犯の減少は,覚せい剤取締法違反の大幅な減少によるものである。また,交通反則通告制度が実施された43年7月以来45年まで減少してきた道交違反の新規受理人員は,46年から増加に転じ,49年も前年より増加している。これは,自動車台数の増加と取締りの強化などによるものと思われる。
II-1表 検察庁新規受理人員の内訳(昭和48年・49年) 次に,昭和49年における刑法犯の新規受理人員を主要罪名別に見たのが,II-2表である。構成比を見ると,業務上過失致死傷が最も多く,刑法犯新規受理人員総数の57.8%を占め,次いで,窃盗の19.7%,傷害及び暴行の8.6%などとなっている。前年と比べて増加しているのは,比率では,傷害致死の17.2%,強盗致死傷,強盗強姦・同致死の9.3%,窃盗の5.6%などであり,実数では,窃盗の9,012人増が最も多く,暴力行為等処罰に関する法律違反の449人増がこれに次いでいる。前年より減少したものは,減少率の高い順に見ると,贈賄・収賄の29.7%,業務上過失致死傷の15.5%,失火の11.9%,詐欺の11.3%などであり,実数では,業務上過失致死傷の9万557人減が最も多く,次いで,傷害及び暴行の7,718人減,詐欺の2,122人減などとなっている。業務上過失致死傷の減少は,自動車交通による人身事故の減少によるものである。II-2表 刑法犯主要罪名別検察庁新規受理人員(昭和48・49年) 昭和49年における刑法犯の新規受理人員の罪名別構成比を10年前の39年と比較してみると,業務上過失致死傷の比率の激増と財産犯の比率の低下という傾向が顕著であるほか,傷害及び暴行の比率が半減しているのが目立つ(II-1図[1][2])。II-1図 刑法犯主要罪名別検察庁新規受理人員の百分比(昭和39年・49年) |