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この白書は,主として昭和48年の犯罪動向と犯罪者処遇の現況を統計資料によって取りまとめたものである。
この白書においては,最近の犯罪動向と犯罪者処遇をめぐる諸問題を取り上げて解説しているが,特に,我が国における社会変動と犯罪動向との関係を重点的に考察するとともに,一般に社会変動が激しくかつ犯罪対策の上でも種々の問題を抱えている開発地域及び中小都市における犯罪状況を分析することを試みた。また,最近において一般の注目をひいている薬物濫用犯罪と過激派集団相互間の暴力犯罪についても,その実情を詳細に説明した。 本書の編成は,従前の号に準じて,全体を3編に分け,第1編「犯罪の動向」では,昭和48年を中心とした最近の犯罪の一般動向を概観し,第2編「犯罪者の処遇」では,検察,裁判,矯正及び保護の各段階を通じて,犯罪者処遇の現況を紹介し,第3編「特殊な犯罪と犯罪者」では,少年犯罪,薬物濫用犯罪及び交通犯罪について詳述した。また,一般の理解の便宜のため,第2編の各章並びに第3編の少年犯罪及び交通犯罪の章の冒頭に,各段階における犯罪者処遇の概略図を掲記した。 最後に,この白書を作成するに当たり,法務省各部局はもとより,最高裁判所事務総局及び警察庁から協力と援助を受けたことに改めて謝意を表するとともに,本書の内容に関する責任は,専ら当研究所にあることを明らかにしておきたい。 昭和49年10月 塚谷 悟 法務総合研究所長 |