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 昭和48年版 犯罪白書 第1編/第2章/第1節/4 

4 性犯罪

 昭和37年及び43年以降5年間における性犯罪の発生件数及び検挙人員を示したものがI-25表及びI-26表である。これによると,強姦(同致死傷を含む。)は,発生件数及び検挙人員ともに44年以降逐年減少している。強制わいせつ(同致死傷を含む。〉については,発生件数では,増減を繰り返し,47年には前年より減少しているが,検挙人員では,43年以来わずかずつ減少している。このように,過去5年間において,強姦は漸減傾向にあり,強制わいせつは,多少の増減があるものの,おおむね横ばいの傾向にある。しかし,強姦及び強制わいせつの発生件数については,被害者の女性が,加害者と顔見知りであるためや,しゅう恥心などの理由により,届出をちゅうちょする場合があり,暗数の多い犯罪であるから,統計上の発生件数と実際に発生した犯罪数との間に,かなりの差があると考えられることに注意する必要がある。

I-25表 性犯罪発生件数(昭和37年,43年〜47年)

I-26表 性犯罪検挙人員(昭和37年,43年〜47年)

 一方,公然わいせつ・わいせつ文書頒布等については,発生件数及び検挙人員とも昭和46年以降は減少しているが,47年の数字を10年前の37年と比較すると,著しい増加となっていることが目につく。