前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和47年版 犯罪白書 第二編/第二章/一/4 

4 労役場留置者および監置に処せられた者の処遇

(一) 労役場留置者

 労役場は,罰金または科料の裁判を受けた者が,その罰金または科料を完納することができない場合に,その者を一定期間,労役に服させるために留置する施設である。監獄に附設され,男女の分隔等につき監獄に関する規定が準用され,行刑施設のとくに分界を設けた場所がこれに充てられている。
 労役場留置者の収容状況は,II-65表のとおりであり,昭和四六年における一日平均収容人員は,一七三人である。

II-65表 労役場留置者の刑務所・拘置所入出所および年間1日平均収容人員(昭和46年)

 労役場留置者の処遇は,原則として,懲役受刑者に関する規定が準用される。

(二) 監置に処せられた者

 監置場は,「法廷等の秩序維持に関する法律」第二条の規定に基づき,監置に処せられた者を留置する施設で,労役場と同じく,監獄に附設され,男女の分隔等につき監獄に関する規定が準用されている。
 最近五年間における,収容延べ人員は,II-66表のとおり,昭和四四年から四五年にかけて急増したが,四六年は前年より若干減少している。これは,相次ぐ公安関係事件の裁判において,決廷等の秩序を混乱させる事件が頻発したことによるものである。

II-66表 監置に処せられた者の収容延べ人員(昭和42〜46年)

 監置に処せられた者の処遇については,原則として,刑事被告人に適用すべき規定が準用されるが,接見,信書および自衣の着用等については,拘留受刑者の処遇と同じである。