前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和44年版 犯罪白書 第一編/第二章/一/5 

5 過失犯罪

 過失犯罪のおもなものは,業務上過失致死傷(重過失致死傷を含む。以下,本項において同じ,)と単純過失致死傷および失火(業務上失火および重過失失火を含む。以下,本項において同じ,)である。I-25表は,昭和三三年ならびに昭和三九年以降の過失犯の検挙人員の推移を示したものであるが,失火は,昭和四〇年および四二年に,一時増加しているのを除き,おおむね,減少の傾向をみせている。また,単純過失致死傷は,逐年減少傾向を示してきたが,昭和四三年においては,前年よりわずかに増加している。業務上過失致死傷は,年を追うにつれて激増し,昭和四三年には,昭和三九年を一〇〇とすると,二三三という指数を示している。しかも,そのほとんど大部分が,自動車による人身事故であり,まさに交通戦争時代の一語につき,事の重大性を痛感させられる。しかし,交通犯罪については,後に詳しく取り上げるので,ここでは昭和二〇年以降の,業務上過失致死傷の検挙人員の増加状況を,I-12図のグラフで示すにとどめることとする。

I-25表 過失犯罪検挙人員(昭和33,39〜43年)

I-12図 業務上過失致死傷検挙人員(昭和20〜43年)