前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和42年版 犯罪白書 第三編/第一章/二 

二 犯罪少年の現状とその分析

 前節では,主として犯罪少年の行為を中心としてその動向を概観したが,この節では,行為者としての犯罪少年に焦点を合わせ,その現状について,やや詳しく分析を加えることとする。
 犯罪少年の実態については,従来の犯罪白書でも,繰り返し,採り上げているが,この白書では,犯罪少年の個人的・環境的条件を,便宜上,年令,家族,学校,職場,地域社会および再犯の六個の領域に区分し,各領域ごとに,犯罪少年の実態を解明し,問題点などを指摘することとした。また,各項目においては,少年犯罪の背景となる諸事情についても,可能なかぎり触れるように努めた。なお,少年犯罪の被害者等についても,犯罪予防の見地からみて,考慮を要する場合が少なくないので,とくに一項目を設けて考察を加えた。