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 昭和41年版 犯罪白書 第三編/第三章/六/5 

5 不定期刑のみの言渡しを受けた者の保護観察の状況

 処分決定のとき少年で,不定期刑のみの言渡しを受けて服役し,仮釈放を許された者で,昭和三九年中に保護観察を終了した者は六三一人である。その保護観察終了時の成績は,III-124表のとおりである。なお,これらの者は,保護観察事件として立件のとき,すでに二〇歳をこえている者が大部分で,二〇歳未満の者は,ごくわずかである。その保護観察終了時の成績が良好であった者(「不定期刑終了」の措置を受けた者,「良」および「やや良」の者)は,あわせて四〇・九%,普通の者は三八・〇%,不良であった者(「不良」,「所在不明」,「取消」の者)は,あわせて一八・七%で,これを昭和三九年の少年院仮退院者の同成績III-121表と比較すると,良好であった者が一九・〇%多く,また,普通であった者が一〇・八%多く,不良であった者が二四・九%少ない状況で,その成績は,少年院仮退院者より,かなりよい状況であるということができる。また,そのうち,期間満了により保護観察を終了した者五三七人について,その成績を,昭和三九年中に期間満了により保護観察を終了した者全部の状況II-102表と比較すると,この場合も,良好の者があわせて四六・七%で,八・三%多く,「普通」四四・七%で,二・二%多く,「不良」五・〇%で,〇・三%多いが,著しい差ではなく,不定期刑のみの言渡しを受けた者の保護観察終了時の成績は,比較的,よい状況であることを示している。ただし,仮出獄の取消を受けた者が一二・八%いることは,不定期刑のみの言渡しを受けた者の成行をみるうえからも,また保護観察を実施するうえからも留意すべきことである。

III-124表 不定期刑のみの言渡しを受けた者の保護観察終了事由(昭和39年)