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 昭和41年版 犯罪白書 第二編/第一章/一/2 

2 捜査の端緒

 捜査の端緒は,事実問題としては千差万別であるが,法律的には検察官認知その他の数種に大別することができる。そして最近五年間のうち,昭和三五年,同三七年および同三九年に検察官が処理した事件(道交違反を除く。)について,各年別に法律的観点から大別して捜査の端緒を示すと,II-1表のとおりである。

II-1表 捜査の端緒別検察庁処理人員(昭和35,37,39年)

 これによると,検察庁の全処理事件の九七・一%ないし九八・三%が,司法警察職員においてその捜査の端緒をつかみ,これを捜査したのち検察官に送致(または送付)した事件となっている。警察が捜査の第一次的責任を負っている現行制度下においては当然のことといえようが,同時に,司法警察職員が認知した事件の実数および割合が逐年増加していることは注目すべきである。
 つぎに,この表で,告訴事件総数が逐年減少の傾向にあることが目だつ。すなわち,各年別に告訴事件処理人員数の全処理人員数に対する比率をみると,
昭和三五年 三二,二〇五人(三・八%)
昭和三七年 二六,七〇一人(三・一%)
昭和三九年 二五,八六九人(二・六%)
となっており,明らかに減少の傾向がみられる。