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令和2年版 犯罪白書 第6編/第2章/第1節/7
7 法テラスによる被害者等に対する支援

法テラス(第2編第1章2項参照)は,被害者等に対する支援業務を行っている。その業務内容は,電話及び各地方事務所を通じて,刑事手続への適切な関与,損害や苦痛の回復・軽減を図るための制度に関する情報提供を行うほか,被害者等の支援を行っている機関・団体の支援内容や相談窓口を案内し,被害者等の支援について理解や経験のある弁護士の紹介等を行うものである。また,法テラスは,被害者参加制度が開始されてからは,被害者参加人が法テラスを経由して裁判所に国選被害者参加弁護士の選定請求をするに当たり,法テラスと契約している弁護士を国選被害者参加弁護士の候補に指名して裁判所に通知するなどの業務も行っている。法テラスにおける被害者等に対する支援の実施状況の推移(最近10年間)については,6-2-1-5図のとおりであり,令和元年度における犯罪被害者支援ダイヤルでの受電件数は1万5,343件(前年比198件増),地方事務所での犯罪被害・刑事手続等の問合せ件数は1万1,262件(同2,773件減)であり,犯罪被害者支援の経験や理解のある弁護士を紹介した件数は1,355件(同440件減)であった。また,元年度の被害者参加人からの国選被害者参加弁護士選定請求件数は,595件(請求人員延べ727人)であり,罪名別にその件数を見ると,強制性交等・強制わいせつ等316件(53.1%),傷害80件(13.4%),殺人(自殺関与・同意殺人を含まない。)74件(12.4%),過失運転致死傷等56件(9.4%)であった(法テラスの資料による。)。

6-2-1-5図 法テラスにおける被害者等に対する支援の実施状況の推移
6-2-1-5図 法テラスにおける被害者等に対する支援の実施状況の推移
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また,平成28年法律第53号による総合法律支援法(平成16年法律第74号)の改正により,平成30年1月から,法テラスにおいて,ストーカー規制法上の「つきまとい等」,児童虐待防止法上の「児童虐待」及び配偶者暴力防止法上の「配偶者からの暴力」の被害者に対し,必要な法律相談を実施することを内容とする「DV等被害者法律相談援助」が実施されている(児童虐待,配偶者間暴力及びストーカー犯罪については,第4編第5章参照)。令和元年度におけるDV等被害者法律相談援助の実施件数は832件であった(法テラスの資料による。)。