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令和2年版 犯罪白書 第2編/第6章/第1節

第6章 刑事司法における国際協力
第1節 刑事司法における国際的な取組の動向

国連においては,平成4年(1992年)に経済社会理事会の下に機能委員会として設置された犯罪防止刑事司法委員会コミッション)が,毎年会合を開いて犯罪防止及び刑事司法分野の政策決定を行っているところ,我が国は設立当初から同委員会のメンバー国に選出されており,毎年の会合において積極的に関与している。

また,犯罪防止及び刑事司法の分野における国連最大規模の国際会議である国連犯罪防止刑事司法会議コングレス)が,この分野に関する政策の提案,意見交換等を目的として,国連の主催により,昭和30年(1955年)から5年ごとに開催されている。

第14回コングレス(以下「京都コングレス」という。)は,「2030アジェンダの達成に向けた犯罪防止,刑事司法及び法の支配の推進」を全体テーマとして,令和2年(2020年)4月に京都で開催される予定であったが,新型コロナウイルス感染症の世界的流行により開催延期となり,新たな日程は,令和3年(2021年)3月7日から同月12日までの6日間に決定された。我が国は,京都コングレスの開催に当たり,オンライン会議システムを幅広く活用するとともに,新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すべく,コングレスの事務局である国連薬物・犯罪事務所UNODC)(第1編第3章第1節参照)等と協働し,引き続き,開催に向けた準備を進めている。国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)(本章第5節1項参照)も,企画・運営を担当する「再犯防止:リスクの特定とその解決策」をテーマとしたワークショップの準備を進めている。また,「安全・安心な社会の実現へ~SDGsの達成に向けた私たちの取組~」を全体テーマとして,国内外の若者が議論する京都コングレス・ユースフォーラムを京都コングレスに先立って開催する予定であったが,同様に開催延期となり,同年2月27日及び同月28日の2日間の日程で開催することとした。なお,平成27年(2015年)9月に開催された国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において,持続可能な開発を目指すために2030年までに実施すべき国際目標として,17の目標及び169のターゲットから構成される「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が定められており,上記のとおり,京都コングレス及び同ユースフォーラムの全体テーマとなっている。