前の項目 次の項目        目次 図表目次 年版選択

令和元年版 犯罪白書 第5編/第2章/第3節/1
第3節 矯正
1 再入者

5-2-3-1図は,入所受刑者人員のうち,再入者の人員及び再入者率(入所受刑者人員に占める再入者の人員の比率をいう。以下同じ。)の推移(平成元年以降)を総数・女性別に見たものである。再入者の人員は,11年から毎年増加した後,18年をピークにその後は減少傾向にあり,30年は1万902人(前年比5.0%減)であった。再入者率は,5年から15年まで低下した後,16年から28年まで毎年上昇し続けていたが,30年は59.7%(同0.3pt上昇)であり,おおむね横ばいで推移している。

女性について見ると,再入者の人員は,平成11年以降増加傾向にあったが,26年をピークにその後は減少し,30年は868人(前年比60人減)であった。同年における再入者率は,49.1%であり,男性と比べると低い(罪名別・男女別の再入者人員については,CD-ROM資料5-1参照)。

5-2-3-1図 入所受刑者人員中の再入者人員・再入者率の推移(総数・女性別)
5-2-3-1図 入所受刑者人員中の再入者人員・再入者率の推移(総数・女性別)
Excel形式のファイルはこちら

5-2-3-2図は,平成元年・15年・30年における入所受刑者の入所度数別構成比を見るとともに,30年については,これを更に男女別に見たものである。総数では,いずれの年でも,入所度数が1度の者,5度以上の者,2度の者の順に占める割合が高い。30年の入所受刑者全体では入所度数が2度以上の者(再入者)が6割近くを占めるとともに,5度以上の者も2割を超えている。女性では,入所度数が1度の者(初入者)が5割を超えており,5度以上の者は9.5%であった(罪名別・入所度数別の入所受刑者の人員については,CD-ROM資料5-2参照)。

5-2-3-2図 入所受刑者の入所度数別構成比(総数・男女別)
5-2-3-2図 入所受刑者の入所度数別構成比(総数・男女別)
Excel形式のファイルはこちら

5-2-3-3図は,資料を入手し得た平成10年・20年・30年における入所受刑者の保護処分歴別構成比を初入者・再入者別に見るとともに,これを年齢層別に見たものである。いずれの年でも同様の傾向が認められ,入所受刑者全体で見ると,保護処分の中では,少年院送致歴のある者の割合が高く,その傾向は再入者において顕著である。年齢層別に見ると,保護処分歴のある者の割合は,初入者,再入者共に若い年齢層の者ほど高い。いずれの年齢層においても,再入者は,初入者と比べて保護処分歴のある者の割合が高く,特に29歳以下では約6割の者に保護処分歴がある。

5-2-3-3図 入所受刑者の保護処分歴別構成比(初入者・再入者別,年齢層別)
5-2-3-3図 入所受刑者の保護処分歴別構成比(初入者・再入者別,年齢層別)
Excel形式のファイルはこちら

5-2-3-4図は,資料を入手し得た平成10年・20年・30年における入所受刑者の就労状況別構成比を男女別に見るとともに,これを初入者・再入者別に見たものである。いずれの年でも同様の傾向が認められ,男女共に,初入者と比べて再入者の方が,無職者の占める比率が高い。また,男女別及び初入者・再入者別に見ると,いずれも30年,20年,10年の順に無職者の占める比率が高い。30年の男女総数では,同年の再入者のうち72.1%が無職者であった(CD-ROM参照)。

5-2-3-4図 入所受刑者の就労状況別構成比(男女別,初入者・再入者別)
5-2-3-4図 入所受刑者の就労状況別構成比(男女別,初入者・再入者別)
Excel形式のファイルはこちら

5-2-3-5図は,資料を入手し得た平成10年・20年・30年における入所受刑者の居住状況別構成比を男女別に見るとともに,これを初入者・再入者別に見たものである。いずれの年でも同様の傾向が認められ,男女共に,初入者と比べて再入者の方が,住居不定の者の占める比率が高いが,女性では,その差は大きくない。30年の男女総数では,同年の再入者のうち21.9%が住居不定の者であった。また,同年の男性の再入者のうち住居不定の割合は23.0%であり,20年と比べて8.7pt低い(CD-ROM参照)。

5-2-3-5図 入所受刑者の居住状況別構成比(男女別,初入者・再入者別)
5-2-3-5図 入所受刑者の居住状況別構成比(男女別,初入者・再入者別)
Excel形式のファイルはこちら