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平成29年版 犯罪白書 第2編/第6章/第4節/2

2 矯正・更生保護に関する国際会議
(1)アジア太平洋矯正局長等会議

アジア太平洋矯正局長等会議APCCA:Asian and Pacific Conference of Correctional Administrators)とは,昭和55年(1980年)から年1回開催されている,アジア太平洋地域各国の矯正行政の責任者等が,その所掌業務上の問題や知見等について意見交換及び情報共有を行う国際会議であり,我が国も,第1回会議から毎年参加している。平成28年(2016年)10月に中国の天津で開催された第36回会議には,アジア及び太平洋の19の国と地域が参加した。同会議では,各国から統計データ等を基にそれぞれの矯正の概況が報告されるとともに,保安や更生上のニーズに応じた刑事施設及び社会内処遇施設の設計,刑事施設内及び社会内における教育・更生の取組,刑事施設における効果的な感染予防・医療サービスの提供並びに社会内処遇での効果的な矯正事業に関する報告・討議が行われた。

なお,我が国は,平成27年11月に実施された第35回会議において,APCCA運営委員会の構成国(選挙により4か国が選定される。)に選出され,以後4年間,本会議の運営に携わっている。

(2)世界保護観察会議

世界保護観察会議(World Congress on Probation)は,社会内処遇の発展や,国際ネットワークの拡大を期すために,世界各国の実務家や研究者等が意見交換等を行う,この分野では世界最大規模の国際会議である。第3回会議は,平成29年(2017年)9月に,「社会内処遇の発展とコミュニティの役割」をテーマに我が国で開催され,法務省保護局及び国連アジア極東犯罪防止研修所(次節参照)等が中心となって同会議を運営した。同会議における基調講演,シンポジウム,ワークショップ等においては,社会内処遇における市民参加,社会内処遇の政策と実務,犯罪者や非行少年の効果的な処遇,コミュニティの役割等に関する意見交換や討議が活発に行われた。