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平成28年版 犯罪白書 第4編/第2章/第1節/3

3 危険ドラッグに係る犯罪

いわゆる危険ドラッグ(規制薬物(覚せい剤,大麻,麻薬・向精神薬,あへん及びけしがらをいう。以下この項において同じ。)又は指定薬物(医薬品医療機器等法2条15項に規定する指定薬物をいう。以下この項において同じ。)に化学構造を似せて作られ,これらと同様の薬理作用を有する物品をいい,規制薬物及び指定薬物を含有しない物品であることを標榜しながら規制薬物又は指定薬物を含有する物品を含む。以下この項において同じ。)に係る犯罪の検挙人員の推移(最近5年間)を適用法令別に見ると,4-2-1-5表のとおりである。

危険ドラッグに関しては,指定薬物による保健衛生上の危害を防止するため,平成25年12月,医薬品医療機器等法(26年11月25日前の法律名は「薬事法」)が改正され(平成25年法律第103号),指定薬物の単純所持・使用等についても処罰されることになった(26年4月1日施行)。また,26年1月からは,新たな包括指定により指定薬物の対象が拡大されている。さらに,27年3月,関税法が改正され(平成27年法律第10号),同法においても,指定薬物の輸入が新たに禁止された(同年4月1日施行)。

危険ドラッグに係る犯罪の検挙人員は,平成24年から急増し,27年は1,196人(前年比356人増)であった。同年の指定薬物に係る医薬品医療機器等法違反の検挙人員は960人(同468人増)であるが,そのうち695人(同369人増)は指定薬物の単純所持・使用等(同法84条26号に規定する罪のうち,製造・輸入・販売・授与に係る罪を除く。)の検挙人員(販売目的等の供給者側の検挙人員を除く。)であった(警察庁刑事局の資料による。)。

平成27年における危険ドラッグ乱用者(危険ドラッグに係る犯罪の検挙人員のうち,危険ドラッグの販売等により検挙された供給者側の検挙人員を除いたものをいう。)の検挙人員は,966人であり,年齢層別では,30歳代(330人,34.2%)が最も多く,次いで,20歳代(297人,30.7%),40歳代(236人,24.4%),50歳以上(75人,7.8%),20歳未満(28人,2.9%)の順であった(警察庁刑事局の資料による。)。

4-2-1-5表 危険ドラッグに係る犯罪の検挙人員の推移(適用法令別)
4-2-1-5表 危険ドラッグに係る犯罪の検挙人員の推移(適用法令別)
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