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平成28年版 犯罪白書 第2編/第1章/2

2 裁判所における手続

刑事事件の第一審は,原則として,地方裁判所(罰金以下の刑に当たる罪及び内乱に関する罪を除き,第一審の裁判権を有する。)又は簡易裁判所(罰金以下の刑に当たる罪,選択刑として罰金が定められている罪及び常習賭博罪等の一定の罪について,第一審の裁判権を有する。)で行われる。

通常第一審の裁判は,公判廷で裁判を行う公判手続により行われ,有罪と認定されたときは,死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留又は科料の刑が言い渡される。なお,簡易裁判所は,原則として禁錮以上の刑を科することはできないが,窃盗等の一定の罪については,3年以下の懲役を科することができる。3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金を言い渡された者については,情状により,一定期間,刑の全部の執行が猶予されることがあり,事案によっては,その期間中,保護観察に付されることがある(なお,刑の一部執行猶予制度については,本章6項参照)。また,死刑,無期懲役・禁錮又は短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件を除き,明白軽微な事件については,即決裁判手続によることができ,この手続では,懲役又は禁錮の言渡しをする場合は,刑の全部の執行猶予の言渡しをしなければならない。簡易裁判所においては,略式手続による裁判を行うこともでき,その場合,書面審理に基づいて100万円以下の罰金又は科料の裁判を行う。略式命令を受けた者は正式裁判を請求することができ,その場合,公判手続による裁判に移行する。

第一審判決に対しては,高等裁判所に控訴をすることができ,控訴審判決に対しては,最高裁判所に上告をすることができる。