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平成27年版 犯罪白書 第6編/第2章/第1節/6

6 被害者
(1)被害の発生状況

強姦,強制わいせつの認知件数及び被害発生率(人口10万人当たりの認知件数(男女別)をいう。ただし,強姦については,女子人口10万人当たりの認知件数をいう。)の推移(最近10年間)を見ると,6-2-1-11表のとおりである。

6-2-1-11表 強姦・強制わいせつ 認知件数・被害発生率の推移
6-2-1-11表 強姦・強制わいせつ 認知件数・被害発生率の推移
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(2)被害者と被疑者の関係

強姦,強制わいせつの検挙件数(捜査の結果,犯罪が成立しないこと又は訴訟条件を欠くことが確認された事件を除く。)について,被害者と被疑者の関係別構成比の推移(最近20年間)を見ると,6-2-1-12図のとおりである。強姦,強制わいせつ共に,被害者が「面識あり」及び「親族」の割合が上昇傾向にある。平成26年の強姦における被害者が「面識あり」の場合は464人と,7年(280人)に比べて約1.7倍に,「親族」の場合は60人と,7年(7人)に比べて約8.6倍にそれぞれ増加した。また,26年の強制わいせつにおける被害者が「面識あり」の場合は1,033人と,7年(223人)に比べて約4.6倍に,「親族」の場合は81人と,7年(6人)に比べて13.5倍にそれぞれ増加した。

平成26年の強姦における被害者が「親族」のうち,子が被害者となったものは39人(実子9人,養子等30人)であった。また,同年の強制わいせつにおける被害者が「親族」のうち,子が被害者となったものは50人(実子10人,養子等40人)であった(警察庁の統計による。)。

6-2-1-12図 強姦・強制わいせつ 検挙件数の被害者と被疑者の関係別構成比の推移
6-2-1-12図 強姦・強制わいせつ 検挙件数の被害者と被疑者の関係別構成比の推移
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(3)被害者の年齢層

強姦,強制わいせつにおける被害者の年齢層別構成比の推移(最近20年間)は,6-2-1-13図のとおりである。強姦では,一貫して,20〜29歳の者と未成年者の割合が高い。強姦の被害者数は,平成7年の1,500人から,26年は1,250人に減少したが,13歳未満の被害者数は,26年は77人と,7年(60人)に比べて増加した。男子を被害者とする強制わいせつでは,13歳未満の者の割合が一貫して約半数を占めている。女子を被害者とする強制わいせつでは,13歳未満の者の割合は,26年は7年に比べて2分の1以下となったが,被害者数では,26年は968人と,7年に比べ190人減(16.4%減)であった。

6-2-1-13図 強姦・強制わいせつ 被害者の年齢層別構成比の推移
6-2-1-13図 強姦・強制わいせつ 被害者の年齢層別構成比の推移
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