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平成26年版 犯罪白書 第6編/第4章/第2節/2

2 調査対象事件の概要

調査対象事件である窃盗の事件数(常習特殊窃盗又は常習累犯窃盗として法的に一罪の評価がされた事件については,個々の窃盗の事件数による。以下この項において同じ。)は,延べ4,029件であり,全対象者一人当たりの窃盗の平均事件数は1.7件であった。

調査対象事件の主たる犯行について,裁判確定時の認定罪名別構成比を見ると,窃盗罪の既遂の割合が91.4%と圧倒的に高く,次いで,常習累犯窃盗(構成比6.4%),窃盗罪の未遂(同2.1%),窃盗罪の幇助及び常習特殊窃盗(各構成比0.1%)の順であった。また,これら窃盗以外の罪も認定された者は562人(23.2%)であり,その主な罪名(重複計上による。)は,住居侵入(建造物侵入及び邸宅侵入を含む。)(358人),覚せい剤取締法違反(65人),詐欺(48人),道路交通法違反(37人),傷害(32人)の順であった。

全対象者について,主たる犯行の手口別構成比(総数・女子)を見ると,6-4-2-2図<1>のとおりである。総数・女子共に,万引きの割合が最も高く,男女別では,男子は49.0%,女子は89.8%であり,女子の窃盗事犯者の約9割を万引きが占めていた。

一方,調査対象事件の総数における手口別構成比を見ると,6-4-2-2図<2>のとおりである。全対象者の主たる犯行で見た場合よりも,万引きの割合が低くなっているのに対し,侵入窃盗の割合が高くなっている。手口別では,住宅を対象とする侵入窃盗(空き巣,忍込み及び居空きをいう。以下この節において同じ。),払出盗及び車上ねらい・部品ねらい等において,全対象者の主たる犯行における割合よりも,調査対象事件における割合の方が高い。これは,侵入窃盗,特に住宅を対象とする侵入窃盗や,非侵入窃盗の中でも払出盗や車上ねらい・部品ねらいについては,一人当たりの窃盗の件数が多いことによる。

6-4-2-2図 全対象者(総数・女子)・調査対象事件の手口別構成比
6-4-2-2図 全対象者(総数・女子)・調査対象事件の手口別構成比
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