前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和40年版 犯罪白書 第二編/第一章/一/3 

3 被疑事件の受理

 昭和三八年中に全国の検察庁で,新規に受理した事件の被疑者の総数(検察庁間の移送,または家庭裁判所からの送致による受理人員数および事件の再起による受理人員数を除く)は,五,〇七七,六四二人である。これを刑法犯,道路交通取締法令違反(以下,単に道交違反という)および道交違反以外の特別法犯(以下,単に特別法犯という)の三者別に,昭和三七年の数とともに示すと,II-2表のとおりとなる。総数のうち,刑法犯は一三・二%,特別法犯は五・七%にすぎず,道交違反が八一・一%を占めている。これを前年度と比較すると,総数において二・四%増加しているが,その内容をみると,これまで毎年大幅な増加を示してきた道交違反が,わずかではあるが〇・二%減少しているのに対し,刑法犯が五・五%,特別法犯がじつに四八・三%の増加をそれぞれ示しているのが目だっている。刑法犯の増加は主として業務上過失致死傷の増加によるものであり,特別法犯の増加は,主として昭和三八年四月および一一月に行なわれた統一地方選挙および衆議院議員総選挙における公職選挙法違反の激増によるものであることは,すでに述べたとおりである。

II-2表 新受人員の内訳(昭和37,38年)