前の項目 次の項目       目次 図表目次 年版選択

平成24年版 犯罪白書 第5編/第2章/第1節/1

第1節 刑事手続における被害者の関わり
1 被害者に対する支援体制

全国の検察庁には被害者支援員が配置され,被害者からの相談の対応,法廷への案内や付添い,記録の閲覧,証拠品の還付請求等各種手続の援助を行っている。また,被害者等に対して被害に遭った直後から適正・確実に援助を行うことができる民間団体として犯罪被害者等早期援助団体が都道府県公安委員会により指定されている(平成24年9月末日時点で,被害者支援都民センター等の42団体が指定されている。警察庁の資料による。)が,被害者支援員は,被害者等の状況に応じて,これらの団体への紹介も行っている。

総合法律支援法(平成16年法律第74号)に基づき平成18年4月に設置された日本司法支援センター(愛称「法テラス」)においても,同年10月から,犯罪被害者等に対する支援業務を行っている。その業務内容は,犯罪被害者等に対し,電話及び各事務所を通じて,刑事手続への適切な関与や損害の回復・苦痛の軽減を図るための制度に関する情報提供を行うほか,犯罪被害者支援団体等の活動内容や被害者支援に精通した弁護士の紹介等を行うものである。平成23年度における利用状況は,犯罪被害者支援ダイヤルでの受電件数が9,780件(前年度比702件減),地方事務所における犯罪被害・刑事手続等の問い合わせ件数が1万3,096件(同993件減)であり,そのうち犯罪被害者支援に精通した弁護士を紹介した件数が877件(同52件減)であった。また,同年度における被害者参加人(裁判所が刑事裁判への参加を認めた被害者等)による被害者参加弁護士選定請求(指名通知請求)件数は,282件(請求人員延べ351人)であり,罪名別にその件数を見ると,強姦・強制わいせつ(32.3%),傷害(18.8%),殺人(自殺関与・同意殺人を含まない。)(16.0%),自動車運転過失致死傷(14.2%)が多い(法テラスの資料による。)。