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3 告訴人通知・被害者等通知制度

検察官は,告訴等のあった事件について,公訴を提起し,又はこれを提起しない処分(不起訴処分)をしたときは,速やかにその旨を告訴人等に通知しなければならず,また,不起訴処分をした場合において,告訴人等の請求があるときは,速やかにその理由を告げなければならない。

さらに,検察官等は,被害者が死亡した事件又はこれに準ずる重大な事件や検察官等が被害者等の取調べ等を実施した事件において,被害者等が希望する場合には,事件の処理結果,公判期日及び裁判結果に関する事項について通知を行っている。また,被害者等が特に希望し,相当と認めるときは,公訴事実の要旨,不起訴理由の骨子,公判経過,受刑者の釈放等についても,通知を行っている。平成22年においては,事件の処理結果について延べ4万2,798件,公判期日について延べ2万4,521件,裁判結果について延べ3万5,633件,受刑者の釈放について延べ2,015件の通知が行われた(目撃者等に対する通知を含む。法務省刑事局の資料による。)。

平成19年12月からは,この制度が更に拡充され,被害者等が希望する場合には,検察官は,受刑者の刑の執行終了予定時期,刑事施設における処遇状況に関する事項及び刑の執行猶予の言渡しの取消しに関する事項等について,地方更生保護委員会は,仮釈放審理の開始・結果に関する事項について,保護観察所の長は,仮釈放者及び保護観察付執行猶予者の保護観察の開始・処遇状況・終了に関する事項について,原則として通知を行っている。22年においては,刑の執行終了予定時期について延べ8,908件(目撃者等に対する通知を含む。),刑事施設における処遇状況について延べ1万54件,執行猶予の言渡しの取消しについて延べ67件,仮釈放審理に関する事項について延べ2,783件,保護観察状況に関する事項について延べ3,157件の通知が,それぞれ行われた(法務省刑事局及び保護局の資料による。)。

なお,この制度とは別に,再被害防止のため,被害者等が特に希望する場合において,通知を行うのが相当と認めるときは,検察官等が受刑者の釈放予定時期等について被害者等へ通知を行う制度も実施されており,平成22年においては,490人に対して通知が行われた(目撃者等に対する通知を含む。法務省刑事局の資料による。)。