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第3節 少年の受刑者

少年入所受刑者(懲役又は禁錮の言渡しを受けた少年であって,その刑の執行のため入所した受刑者をいう。)の人員の推移(昭和41年以降)は,3-2-3-1図のとおりである。その人員は,昭和41年には1,000人を超えていたが,その後,大幅に減少し,63年以降は100人未満で推移し,平成22年は29人(前年比25人減)であった。平成22年における少年入所受刑者のうち,女子は1人であり,入所時年齢(入所時に20歳以上であった者は,不定期刑の言渡し時の年齢による。)別では,16・17歳が2人,18・19歳が27人であった。刑期(不定期刑は,刑期の長期による。)別の人員を見ると,無期刑の者が1人,「5年を超え10年以下」が15人,「3年を超え5年以下」が4人,3年以下が9人であった。刑の種類別では,懲役が28人,禁錮が1人であった。罪名別に見ると,強盗6人(強盗致死傷5人,強盗強姦・同致死1人)と危険運転致死傷6人が最も多く,次いで,殺人4人,道路交通法違反4人,傷害3人(傷害2人,傷害致死1人)の順であった(矯正統計年報による。)。


3-2-3-1図 少年入所受刑者人員の推移
3-2-3-1図 少年入所受刑者人員の推移

少年の受刑者については,心身が発達段階にあり,可塑性に富んでいることから,刑事施設ではその特性に配慮した処遇を行っている。すなわち,処遇要領(第2編第4章第2節1項(1)参照)の作成に関して,導入期,展開期及び総括期と細かく分割した処遇過程ごとに目標等を定めているほか,矯正処遇の実施についても,特に教科指導を重点的に行い,できる限り職業訓練を受けさせ,一般作業に従事させる場合においても,有用な作業に就業させるなどの配慮をしている。

また,少年の受刑者ごとに1名以上の職員を指定し(個別担任制),その個別担任において他の職員と密接な連携を図りつつ,個別面接,日記指導等の個別に行う指導を継続的に行っている。

なお,少年院において刑の執行をするときには,少年に作業を課さず,矯正教育を行う。