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第2節 一般刑法犯
1 窃盗

窃盗は,認知件数において一般刑法犯の76.5%(平成22年)を占めるが,その認知件数,検挙件数及び検挙率の推移(最近30年間)を見ると,1-1-2-1図のとおりである。窃盗は,7年から13年まで,認知件数の増加と検挙率の低下が続いていたが,14年からは検挙率が上昇に転じ,15年からは認知件数も減少に転じるなど,状況の悪化に歯止めが掛かっている。すなわち,認知件数は,14年に237万7,488件と戦後最多を記録した後,15年から毎年減少し,22年は,121万3,442件であり,14年と比べて116万4,046件(49.0%)の減少となった。また,22年の検挙件数は32万7,786件(前年比3万4,183件(9.4%)減),検挙人員は17万5,214人(同609人(0.3%)減)であるが,検挙率は,14年から21年(27.9%)まで毎年上昇し続け,22年は,27.0%と前年より0.8pt低下したものの,戦後最低であった13年と比べて11.3pt高い。


1-1-2-1図 窃盗 認知件数・検挙件数・検挙率の推移
1-1-2-1図 窃盗 認知件数・検挙件数・検挙率の推移

平成22年における認知件数の手口別構成比は,1-1-2-2図のとおりであり,種類別としては,非侵入窃盗が半数以上を占め,手口としては,自転車盗,万引き,車上ねらいの順に多い(手口別の認知件数については,CD-ROM参照)。


1-1-2-2図 窃盗 認知件数の手口別構成比
1-1-2-2図 窃盗 認知件数の手口別構成比

侵入窃盗,乗り物盗及び非侵入窃盗の別に認知件数の推移(最近20年間)を見ると,1-1-2-3図<1>のとおりであり,いずれも,認知件数は,平成13,14年前後をピークに減少傾向にある。1-1-2-3図<2>は,幾つかの手口について認知件数の推移(最近20年間)を見たものであり,自動販売機ねらいは,11年(認知件数約22万件,窃盗全体に占める構成比11.6%)をピークに大きく減少している一方,万引きは,16年まで増加し続け,その後も横ばいで推移している。


1-1-2-3図 窃盗 認知件数の推移(手口別)
1-1-2-3図 窃盗 認知件数の推移(手口別)