第３節　少年鑑別所における鑑別

１　入・退所状況

（１）入所人員の推移

少年鑑別所の入所者（各年において，観護措置，勾留に代わる観護措置又はその他の事由（勾留，引致等）により入所した者をいい，矯正統計年報における「新収容（人員）」に相当する。）の人員の推移（昭和２４年以降）は，４‐２‐３‐１図のとおりである。その人員は，平成８年から増加し，１５年に昭和４５年以降最多を記録したが，その後，６年連続で減少している（CD-ROM資料４‐１１参照）。平成２１年におけるその人員の内訳は，観護措置による者が８６．０％，勾留に代わる観護措置による者が９．８％であった（矯正統計年報による。）。

４‐２‐３‐１図 　少年鑑別所入所者の人員の推移（男女別）

（２）被収容者の特徴

４‐２‐３‐２図は，少年鑑別所の被収容者（観護措置又は勾留に代わる観護措置により入所した者をいうが，逃走，施設間の移送又は死亡により退所した者を含まず，また，退所した年で計上している。矯正統計年報における「新収容者」に相当する。以下この節及び第５章において同じ。）の年齢層別構成比の推移（最近２０年間）を男女別に見たものである。男子は，年少少年の構成比がおおむね上昇する傾向にある一方，年長少年の構成比は低下する傾向にある。女子は，男子と比べ，低年齢で収容される者の構成比が高い。

４‐２‐３‐２図 　少年鑑別所被収容者の年齢層別構成比の推移（男女別）

４‐２‐３‐３図は，平成２１年における被収容者の非行名別構成比を，男女別・年齢層別に見たものである。男子は，すべての年齢層で窃盗の構成比が最も高く，次いで，傷害・暴行，道路交通法違反，恐喝等が高く，覚せい剤取締法違反の構成比は顕著に低い（最も構成比の高い年長少年で１．３％）。女子は，年齢層が上がるにつれて，ぐ犯及び傷害・暴行の構成比が低下し，覚せい剤取締法違反の構成比が上昇している。

４‐２‐３‐３図 　少年鑑別所被収容者の非行名別構成比（男女別・年齢層別）

（３）退所事由

平成２１年における少年鑑別所の退所者の退所事由別構成比は，４‐２‐３‐４図のとおりである。

４‐２‐３‐４図 　少年鑑別所退所者の退所事由別構成比