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平成22年版 犯罪白書 第1編/第3章/第3節/1

第3節 ハイテク犯罪

1 ハイテク犯罪の動向

コンピュータ・電磁的記録対象犯罪(電磁的記録不正作出・毀棄等,電子計算機損壊等業務妨害及び電子計算機使用詐欺),支払用カード電磁的記録に関する罪及び不正アクセス禁止法違反の検挙件数(最近5年間)は,1‐3‐3‐1表のとおりである。コンピュータ・電磁的記録対象犯罪のうち,電子計算機使用詐欺の検挙件数は,平成15年から増加し続け,20年には前年の約3倍に増加したが,21年は前年より23.2%減少した。支払用カード電磁的記録に関する罪の検挙件数は,17年から減少し続け,21年は前年より6.5%減少した。不正アクセス禁止法違反の検挙件数は,17年から急増し,21年は2,534件(前年比794件(45.6%)増)と,同法が施行された12年以降,最多を更新した。

1‐3‐3‐1表  コンピュータ・電磁的記録対象犯罪等 検挙件数

 

ネットワーク利用犯罪(インターネットを利用した詐欺,児童買春事案等,コンピュータ・ネットワークを利用した犯罪)の検挙件数(最近5年間)は,1‐3‐3‐2表のとおりである。ネットワーク利用犯罪の検挙件数は,年々増加していたが,平成21年は,前年より8.6%減少し,3,961件であった。罪名別に見ると,詐欺は,21年は前年より15.1%減少したものの,17年以降,高水準にある。詐欺のうち,522件(40.8%)はインターネット・オークションに係るものである(警察庁生活安全局の資料による。)。児童に対する性的な犯罪の検挙件数は,増加傾向にあり,21年は,前年に比べ,児童買春及び青少年保護育成条例違反はそれぞれ17.9%,25.4%減少したが,児童ポルノに係る犯罪は倍増した。出会い系サイト規制法違反の検挙件数は,18年から3年連続で増加したが,21年は前年より4.9%減少した。

1‐3‐3‐2表  ネットワーク利用犯罪 検挙件数

 

参考  コンピュータウイルスに関する届出状況

コンピュータウイルスのまん延は,コンピュータによる円滑な情報処理を阻害する要因となっている。

コンピュータウイルスを発見し又はこれに感染した者は,情報処理推進機構に対し届出を行うことが求められているが,最近10年間の届出件数の推移は,1‐3‐3‐3表のとおりである。

1‐3‐3‐3表  コンピュータウイルス届出件数の推移