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 平成21年版 犯罪白書 第4編/第2章/第6節 

第6節 少年の保護観察

 少年は,家庭裁判所の決定により保護観察に付される場合のほか,少年院からの仮退院が許された場合にも,保護観察に付される。
 この節では,家庭裁判所の決定により保護観察に付された者(以下,この節及び次節において「保護観察処分少年」という。)及び少年院仮退院者の保護観察を,少年の保護観察として,その状況を見る(保護観察の概要については,第2編第5章第2節の冒頭参照)。
 なお,家庭裁判所は,少年を保護観察所の保護観察に付する決定をする場合,短期保護観察又は交通短期保護観察が相当である旨の処遇勧告をすることがあるが,こうした処遇勧告がなされた場合,保護観察は,この勧告に従って行われる。
 ○ 短期保護観察
 短期保護観察は,交通事件以外の非行少年であって,非行性の進度がそれほど深くなく,短期間の保護観察により改善更生が期待できる者を対象とするものであり,平成6年から実施されている。保護観察所の長は,家庭裁判所の意見を参考に,生活習慣,学校生活,就労関係,家族関係,友人関係等の指導領域のうち,対象少年の改善更生にとって特に重要な指導領域を選び,処遇は,その指導領域における問題点の改善を促すための課題を履行させることに重点を置いて行われる。
 ○ 交通短期保護観察
 交通短期保護観察は,交通事件による非行少年であって,一般非行性がないか又はその進度が深くなく,交通関係の非行性も固定化していない者を対象とするものであり,昭和52年から実施されている。通常の処遇に代えて,集団処遇を中心とした特別の処遇を集中的に実施している。