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 平成20年版 犯罪白書 第2編/第6章/第1節/3 

3 G8司法・内務大臣会議における対策

 G8司法・内務大臣会議は,G8及び欧州連合の司法・内務担当閣僚等が一堂に会し,国際組織犯罪対策・テロ対策を中心に共通の関心事項について議論するものである。1997年の開始当初は,国際組織犯罪対策に重点が置かれていたが,2001年9月11日の米国同時多発テロ事件を受け,2002年のカナダ・モントレンブラン会議以降は,テロ対策も主要議題として取り上げられるようになった。現在は,毎年,G8議長国において,先進国首脳会議(サミット)の約1か月前に開催されるのが慣例となっており,サミットに関連する閣僚級会議と位置付けられている。
2008年G8司法・内務大臣会議は,同年6月,法務大臣と国家公安委員会委員長を共同議長として東京で開催され,国際テロ対策,ID犯罪,薬物犯罪対策,国際組織犯罪に対抗するユニバーサル・ネットワークの構築,キャパシティ・ビルディング支援,児童の性的搾取との闘いが議題として取り上げられた。会議においては,各分野におけるG8各国の取組に焦点を当てるとともに,国際的な連携と協調を推し進めるための取組について議論し,対策の一層の推進について意見の一致をみた。議論の結果は,「G8司法・内務大臣会議総括宣言」及び「キャパシティ・ビルディング支援に関するG8司法・内務閣僚宣言」という2本の閣僚宣言として取りまとめ,これを採択した。