ここでは，新受刑者の統計資料を対象として再犯者の属性を概観する。具体的には，新受刑者のうち初入者(刑事施設での受刑回数が1回目の者をいう。以下，本章において同じ。)と再入者(刑事施設での受刑回数が2回以上の者をいう。以下，本章において同じ。)別に，性別，就労状況，暴力団加入状況，知能段階及び配偶状況の各属性について見る。
　平成18年における，新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の男女別構成比は，7-3-4-11図のとおりである。
　初入者では総数に対する女子比は9.8％であったのに対し，再入者では4.3％であったこと，再入者の初入者・再入者の合計に対する比率は，男子で51.5％であったのに対し，女子は30.6％であったことなどから，男子の方が，再犯・再入傾向が強いことが分かる。
　罪名別では，傷害・暴行において，再入者の女子比が0.4％と低いのが目立つ。

7-3-4-11図　新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の男女別構成比

　平成18年における，新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の犯時就労状況別構成比は，7-3-4-12図のとおりである。
　いずれの罪名においても，初入者よりも再入者の方が無職者の占める比率が高かった。中でも，窃盗の再入者においてその比率が81.4％と特に高い。

7-3-4-12図　新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の犯時就労状況別構成比

　平成18年における，新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の犯時暴力団加入状況の構成比は，7-3-4-13図のとおりである。
　暴力団に加入していた者の占める比率は，いずれの罪名においても初入者よりも再入者の比率の方が高かった。特に，再入者の傷害・暴行においては，暴力団加入者の比率が33.7％に上っている。

7-3-4-13図　新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の犯時暴力団加入状況

　平成18年における，新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の知能段階別構成比は，7-3-4-14図のとおりである。

7-3-4-14図　新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の知能段階別構成比

　平成18年における，新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の犯時配偶状況別構成比は，7-3-4-15図のとおりである。
　窃盗の再入者において，配偶者のない者が多いのが目立つ。

7-3-4-15図　新受刑者の初入者・再入者別・罪名別の犯時配偶状況別構成比