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 平成19年版 犯罪白書 第5編/第2章/第2節/3 

3 自動車損害賠償保障制度

 自動車損害賠償保障法(昭和30年法律第97号)は,自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立することにより,被害者の保護を図ること等を目的としている。自動車損害賠償制度の中核となっているのは,自動車損害賠償責任保険及び自動車損害賠償責任共済(以下「自賠責保険等」という。)である。  さらに,自賠責保険等を補完するものとして,政府が行っている自動車損害賠償保障事業がある。これは,加害者を特定できない「ひき逃げ事故」(以下,本節において「ひき逃げ」という。)や有効な自賠責保険等が締結されていない自動車による事故の場合(以下,本節において「無保険」という。)には,自賠責保険等では被害者が救済を受けられないため,政府が被害者に対して損害額をてん補するものであり,その保障金は,自賠責保険等の保険金の支払基準に準じて支払われる。  平成17年度(会計年度)の自動車損害賠償保障事業による保障金は,ひき逃げについて2,475人,無保険について679人に支払われた。支払額は,死者1人当たり平均約2,191万円,負傷者1人当たり平均約88万円であった(国土交通省自動車交通局の資料による。)。