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 平成19年版 犯罪白書 第3編/第4章/第3節/4 

4 地域社会における処遇

 裁判所の通院決定を受けた者及び退院許可決定(退院を許可するとともに入院によらない医療を受けさせる旨の決定をいう。)を受けた者は,原則として3年間,指定通院医療機関(厚生労働省令で定める基準に適合する病院や診療所等の中から厚生労働大臣が指定するものをいう。)による入院によらない医療及び保護観察所による精神保健観察を受ける。精神保健観察は,継続的な医療を確保することを目的として,本人との面接や関係機関からの報告等を通じて本人の通院状況や生活状況を見守り,必要な指導等を行うものである。また,地域で生活する精神障害者に対するサービス(障害者自立支援法等に基づく都道府県・市町村による援助等)を適切に利用することが,地域社会で安定した生活を営んでいくためには重要であることから,保護観察所は,指定通院医療機関及び都道府県・市町村と協議して処遇の実施計画を作成し,同計画が有効に機能するよう,関係機関相互の緊密な連携の確保に努めている。
 平成18年における保護観察所の精神保健観察事件の受理件数は108件(移送による受理を除く。)であり,うち退院許可決定によるものが28件(移送による受理を除く。)であった(法務省保護局の資料による。)。
 処遇の終了(期間満了を除く。)や指定入院医療機関への再入院は,裁判所の審判により決定される。平成18年においては,処遇終了決定が2件,再入院決定が1件であった(法務省保護局の資料による。)。