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 平成18年版 犯罪白書 第6編/第3章/第5節/1 

1 更生保護制度における問題の所在と改革の方向性

 この提言では,現在の更生保護制度の大きな問題点として,[1]更生保護制度の運用についての国民や地域社会の理解が不十分であること,[2]保護観察実施体制が民間に依存したぜい弱なものであること,[3]保護観察が指導監督・補導援護の両面で十分に機能していないことの三つが掲げられている。
 これらの問題点を踏まえ,改革の方向性としては,[1]国民や地域社会の理解の拡大による,犯罪や非行をした人と共に生きる社会,[2]官の役割を明確化し,更生保護官署の人的・物的体制を整備することによる,実効性の高い官民協働,[3]保護観察の有効性を高め,更生保護制度の目的を明確化し,保護観察官の意識を改革することなどによる,強じんな保護観察の実現の三つが示された。