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 平成18年版 犯罪白書 第1編/第1章/第3節 

第3節 窃盗

 窃盗の認知件数及び検挙率の推移(最近30年間)は,1-1-3-1図のとおりである。

1-1-3-1図 窃盗の認知件数・検挙率の推移

 窃盗は,平成7年以降認知件数の増加,検挙率の低下という傾向にあったが,15年以降はこれに歯止めが掛かりつつある。
 認知件数は,平成10年以降,毎年大幅に増加し,14年には237万7,488件と戦後最多を記録したが,その後減少に転じ,17年は,14年と比べ,65万2,416件(27.4%)の減少となった。検挙件数は,17年は42万9,038件(前年比1万8,912件(4.2%)減),検挙人員は19万4,119人(前年比1,032人(0.5%)減)となった。
 検挙率も回復し,平成17年は,戦後最低であった13年と比べ,9.2ポイントの上昇となった。
 平成17年の窃盗の認知件数の手口別構成比は,1-1-3-2図のとおりである。

1-1-3-2図 窃盗の認知件数の手口別構成比


●刑法犯
 [1]刑法の定める犯罪のほか,[2]他の法律に定められていても,これと共通の性格を持つ犯罪を含めて「刑法犯」と呼んでいます。
 例えば,盗犯等の防止及び処分に関する法律は,一定の要件を満たす窃盗を,常習累犯窃盗として重く処罰していますが,犯罪そのものの性質は,刑法の窃盗罪と共通ですので,犯罪白書では,刑法犯に含めています。
 刑法犯の正確な範囲については,凡例を参照してください。

●特別法犯
 刑法犯以外の犯罪をいいます。例えば,道路交通法違反,覚せい剤取締法違反などは特別法犯です。

●一般刑法犯
 刑法犯全体から交通関係業過を除いたものをいいます。

交通関係業過
 交通事故によって人を死傷させた場合,過失があれば,刑法211条の業務上過失致死傷罪又は重過失致死傷罪が成立しますが,これを交通関係業過と呼んでいます。交通関係業過は過失犯であり,治安に与える影響も,殺人や窃盗などとは異なるので,犯罪白書では,必要に応じて,刑法犯を,交通関係業過と一般刑法犯に分けて分析しています。なお,平成13年の刑法改正によって新設された危険運転致死傷罪(刑法208条の2)については,交通関係業過ではなく,一般刑法犯に含めています。
 交通関係業過の正確な範囲については,凡例を参照してください。

●認知件数
 警察などの捜査機関が認知した事件の数をいいます。

●発生率
 人口10万人当たりの認知件数をいいます。

●検挙件数
 警察などの捜査機関が検挙した事件の数をいい,検察官に送致・送付した件数のほか,微罪処分にした件数等も含みます。

●検挙率
 検挙件数÷認知件数をパーセンテージで表したものです。

●検挙人員
 警察などが検挙した被疑者の人数をいいます。