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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第5章 

第5章 少年法改正後の重大事犯少年の実態と処遇

 平成13年4月1日から少年法等の一部を改正する法律(平成12年法律第142号。以下「改正少年法」という。)が施行され,故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件(以下「重大事犯」という。)について,少年が犯行時16歳以上の場合には,家庭裁判所の調査の結果,刑事処分以外の措置が相当と認められる場合を除き,検察官送致決定をしなければならないこととなった。この制度改正等によって,重大事犯を犯した少年(以下「重大事犯少年」という。)に対する検察官送致の比率が上昇するなど刑事手続面にも大きな変化が現れている。
 法務総合研究所では,改正少年法施行後の重大事犯少年の実態と処遇を把握するため,[1]少年鑑別所及び検察庁にある資料を基にした犯行内容,処分状況等に関する調査,[2]少年院及び少年刑務所に収容された対象者の意識及び処遇の状況に関する調査,[3]保護観察所にある資料を基にした保護観察の状況等に関する調査を実施した。
 調査対象者は,犯行時14歳以上の少年で,平成13年4月1日以降に犯した重大事犯により少年鑑別所に観護措置により入所し,16年3月31日までに家庭裁判所の終局処理決定により少年鑑別所を退所した278人である。