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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第4章/第6節/1 

1 保護観察対象者の動向

(1) 総数

 少年の保護観察新規受理人員総数の推移(昭和24年以降)は,4-4-6-2図のとおりである。
 新規受理人員総数は,昭和52年の交通短期保護観察の導入に伴い急増し,58年から平成4年まで7万人台で推移していたが,近年は,交通短期保護観察少年の減少に伴い,減少傾向にあり,16年は4万6,253人(前年比7.1%減)であった。

4-4-6-2図 少年の保護観察新規受理人員(総数)の推移

(2) 個別処遇を行う保護観察対象者

 個別処遇を行う少年の保護観察新規受理人員の推移(昭和24年以降)は,4-4-6-3図のとおりである。

4-4-6-3図 個別処遇を行う保護観察新規受理人員の推移

 個別処遇を行う保護観察処分少年は,平成7年以降増加傾向にあったものの,15年からやや減少し,16年は2万2,257人(前年比6.4%減)であった。
 少年院仮退院者は,平成9年以降増加傾向にあったが,15年からやや減少し,16年は5,436人(前年比2.7%減)であった。

(3) 短期保護観察少年

 保護観察処分には,通常のもののほか,家庭裁判所の処遇勧告により,短期保護観察処分又は交通短期保護観察処分とされるものがある。
 短期保護観察は,交通事件(危険運転致死傷,交通関係業過,交通関係4法令違反及び道路運送法違反をいう。以下,本節において同じ。)以外の非行により家庭裁判所で保護観察に付された少年のうち,非行性の進度がそれほど深くなく,短期間の保護観察によって改善更生が期待できるものを対象とし,実施期間は,おおむね6か月以上7か月以内である。生活習慣,学校生活,就労関係,家族関係,友人関係等の指導領域から,少年の更生にとって特に重要な指導領域を選び,そこでの問題改善を促すための課題を履行させることに重点を置いた個別処遇を行う。
 短期保護観察少年の新規受理人員の推移(最近10年間)は,4-4-6-4図のとおりである。
 ここ数年4,000人台後半で推移しており,平成16年は4,575人(前年比1.7%減)であった。

4-4-6-4図 短期保護観察少年新規受理人員の推移

(4) 交通短期保護観察少年

 交通短期保護観察は,交通事件により家庭裁判所で保護観察に付された少年のうち,一般非行性がないか又はその進度が深くなく,交通関係の非行性も固定化していないものを対象としている。保護観察の実施期間は,原則として3か月以上4か月以内であり,個別処遇に代えて,安全運転等に関する集団処遇が行われる。
 交通短期保護観察少年の新規受理・終了人員及び集団処遇実施状況(最近5年間)は,4-4-6-5表のとおりである。
 新規受理人員は,減少傾向にあり,平成16年は1万8,560人(前年比9.2%減)であった。

4-4-6-5表 交通短期保護観察少年の新規受理・終了人員・集団処遇実施状況