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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第2章/第5節/3 

3 いじめと非行

 一口にいじめといっても,その態様は様々で,必ずしもすべてが刑事司法手続の対象とされるわけではない。また,行為の性質上,実態を把握しにくいのが実情である。
 平成16年度(会計年度)に公立小学校,中学校,高等学校及び特殊教育諸学校において発生したいじめの件数は,2万1,671件(前年比7.2%減)であった。これを態様別(複数の態様のものは,それぞれに重複計上。)に見ると,「冷やかし・からかい」が1万207件と最も多く,次いで,「言葉での脅し」(5,551件),「暴力を振るう」(4,613件),「仲間はずれ」(4,265件)の順であった(文部科学省初等中等教育局の資料による。)。
 いじめに起因する事件の件数及び検挙・補導人員は,昭和60年をピーク(638件,1,950人)としておおむね減少傾向にあったが,平成16年は,161件(前年比51.9%増),316人(同38.0%増)であった。161件の内訳は,いじめによる事件が141件,いじめの仕返しによる事件が20件であった(警察庁生活安全局の資料による。)。
 なお,法務省では,平成6年に,子どもの人権問題を専門的に取り扱う子どもの人権専門委員制度を設け,17年7月1日現在,計954人の専門委員を全国の法務局・地方法務局に配置し,いじめに悩む人々に対する相談活動を行い,いじめ解消のための適切な処置を講じている(法務省人権擁護局の資料による。)。