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 平成17年版 犯罪白書 第4編/第2章/第2節/2 

2 薬物犯罪

(1) 毒劇法違反

 昭和47年に毒劇法の一部改正(同年8月施行)が行われ,シンナー等有機溶剤の乱用行為,乱用することの情を知って販売する行為等が犯罪とされて以降,毒劇法違反は,4-2-2-1図のとおり,少年の薬物犯罪において圧倒的多数を占めているが,その少年送致人員は,57年をピーク(2万9,254人)として減少傾向にあり,薬物犯罪に占める比率も低下している。平成16年は,2,581人(前年比21.5%減)とピーク時の約10分の1になったものの,依然として薬物犯罪の送致人員の78.9%を占めている。毒劇法違反送致人員の少年比は,近年低下しており,16年は56.0%となった(警察庁の統計による。)。

(2) 覚せい剤取締法違反

 覚せい剤取締法違反の少年検挙人員及び少年比の推移(昭和45年以降)は,4-2-2-2図のとおりである。
 覚せい剤取締法違反の少年検挙人員は,昭和50年代に急増し,57年には過去最多の2,769人を記録した。その後減少し,平成3年から再び増加に転じたが,9年をピーク(1,602人)としておおむね減少傾向にあり,16年は395人(前年比25.2%減)となった。少年比は,10年以降おおむね低下傾向にあり,16年は3.2%(同0.4ポイント低下)となった。

4-2-2-2図 覚せい剤取締法違反の少年検挙人員・少年比の推移

(3) 大麻取締法違反等

 近年,大麻取締法違反及び麻薬取締法違反の少年検挙人員が増加しており,平成16年は,大麻取締法違反が223人(前年比16.8%増),麻薬取締法違反が80人(同105.1%増)であった(厚生労働省医薬食品局,警察庁刑事局及び海上保安庁警備救難部の資料による。)。麻薬取締法違反の大半は,MDMA等の錠剤型合成麻薬によるものである(警察庁刑事局の資料による。)。