前の項目   次の項目        目次   図表目次   年版選択
 昭和39年版 犯罪白書 第二編/第二章/三/1 

三 裁判の執行

1 死刑の執行

 死刑の言渡しを受けた者は,刑務所または拘置所内に拘置され,原則として,判決確定後六月以内に,法務大臣の命令によって執行されることになっている。しかし,上訴権回復,再審等の請求,非常上告または恩赦の出願がなされたとき,および共同被告人の事件が係属中であるときは,これらの手続が終了するまでの期間は,この六月の期間に算入しないものとされ,さらに死刑囚が心神喪失または妊娠中であるときは,その状態がなくなるまで刑の執行は停止される。死刑の執行は,刑務所または拘置所内の刑場で,絞首して行なわれる。
 昭和三三年から昭和三八年までの五年間に死刑を執行された一二〇人について,罪名区分別をみると,II-30表のとおりである。すなわち,強盗致死,強盗殺人が大半で,総数の八二・五%を示し,一般の殺人が,それについで一四・一%となっている。そのほかは,尊属殺人と強盗強かん致死であるが,その数はいずれもわずか二人である。わが国における死刑は,ごくかぎられた罪種について,慎重審理のうえ言い渡されることはもちろんであるが,死刑判決の確定したのちも,再審等の請求,恩赦の出願,あるいは執行停止事由の有無等をきわめて慎重に審議検討したうえで執行されるので,通常,確定から執行までには相当な期間を経過している。

II-30表 死刑執行人員(昭和33〜37年)