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 平成16年版 犯罪白書 第2編/第4章/第3節/7 

7 民間協力

 行刑施設の運営,取り分け教育活動において,篤志面接委員,教誨師等の民間篤志家の援助及び協力は重要な役割を果たしている。

(1) 篤志面接

 篤志面接は,受刑者等が民間篤志家の専門的知識や経験に基づいた助言指導を受けられる制度である。そして,篤志面接委員は,学識経験者,宗教家,更生保護関係者等の中から,矯正施設の長が推薦し,矯正管区長が委嘱する。
 助言指導の内容は,個々の受刑者の教養を深め,趣味を向上させ,技能を高めることから,精神的煩もんの解決や,家庭,職業及び将来の生活計画に関するものなどである。
 平成15年12月31日現在における篤志面接委員は,1,140人で,その担当分野別内訳は,文芸191人,教育196人,宗教158人,更生保護129人,法律(法曹)86人,商工66人,社会福祉27人等である。同年における篤志面接相談内容別実施回数は,総数で1万4,473回で,その内訳は,教養が4,848回,趣味が3,238回,精神的煩もんが1,384回等であった(法務省矯正局の資料による。)。
 なお,篤志面接活動の充実を図るため,篤志面接委員の全国組織として財団法人「全国篤志面接委員連盟」がある。

(2) 宗教教誨

 宗教教誨は,被収容者の希望に基づいて,民間の篤志の宗教家(「教誨師」と呼ばれる。)により行われる宗教上の説話,宗教行事,読経等のことであり,被収容者の信教の自由を保障し,宗教的欲求を充足する機会を与えることを目的とするものである。
 平成15年12月31日現在における教誨師数は1,517人であり,同年の宗教教誨の実施状況は,集団に対する教誨が9,068回,個人に対する教誨が7,172回であった(法務省矯正局の資料による。)。なお,教誨師の全国組織として,財団法人「全国教誨師連盟」がある。