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 平成15年版 犯罪白書 第2編/第4章/第3節/5 

5 保護観察の実施結果

(1) 保護観察終了時の状況

 2―5―3―6図は,平成14年に保護観察を終了した者について,その終了事由別構成比を,保護観察の種類別に見たものである。

2―5―3―6図 保護観察の終了事由別構成比

 期間満了により保護観察を終了した者が最も多く,仮出獄者では1万3,535人,保護観察付き執行猶予者では3,363人(うち,428人が保護観察の仮解除中)となっている。
 平成14年に保護観察が終了した者のうち,保護観察の終了事由が仮出獄取消しである者及び刑の執行猶予取消しである者が占める比率を,受理時の罪名別(終了者数が100人未満のものを除く。)に見ると,仮出獄者では,窃盗(11.4%)において最も高く,以下,住居侵入(9.3%),覚せい剤取締法違反(7.2%)の順であり,保護観察付き執行猶予者では,住居侵入(49.0%)において最も高く,以下,窃盗(39.9%),覚せい剤取締法違反(39.5%),恐喝(37.1%),詐欺(37.0%),傷害(36.8%)の順となっている(保護統計年報による。)。

(2) 期間中再度罪を犯し新たな処分を受けた者及び再入所者の状況

 平成14年に保護観察が終了した者のうち,保護観察期間中再度罪を犯しかつ新たな処分を受けた者が占める比率は,仮出獄者が0.9%(134人),保護観察付き執行猶予者が37.2%(1,999人)となっている。さらに受理時の罪名別(終了者数が100人未満のものを除く。)に同様の比率を見てみると,仮出獄者では,殺人(2.2%)が最も高く,次いで,強盗(2.0%),強姦・同致死傷(1.7%)の順である。保護観察付き執行猶予者では,住居侵入(46.2%)が最も高く,次いで,窃盗(42.3%),傷害(41.8%),覚せい剤取締法違反(41.6%)の順となっている(保護統計年報による。)。
 なお,本編第4章第2節に示した2―4―2―10表で分かるように,仮出獄者と満期釈放者について,出所年を含む5年間に行刑施設に再入した者の累積の比率を見ると,仮出獄者が満期釈放者よりも低い傾向が,一貫して続いている。