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 平成14年版 犯罪白書 第4編/第2章/第6節/6 

6 保護観察の実施結果

(1) 保護観察終了時の状況

 4-2-6-7図は,保護観察処分少年及び少年院仮退院者について,最近10年間における保護観察終了事由別人員の構成比の推移を見たものである。保護観察処分少年については,期間満了の占める割合が一貫して低下し,平成13年には10.7%となっている。一方,解除の占める割合は,9年まで上昇傾向を示し,以後,おおむね横ばいの状態にある。13年は74.9%で前年比1.3ポイント低下したが依然として高い比率を示しており,保護観察期間中の成績が良好な者に対しては,良好措置が積極的に執られてきていることがうかがわれる。

4-2-6-7図 保護観察処分少年及び少年院仮退院者の保護観察終了事由別構成比

 これに対し,少年院仮退院者については,退院の占める割合はおおむね18%台から22%台で推移しており,保護観察処分少年と比べて,良好措置の執られる比率が低くなっている。これは複雑な問題を抱えている少年が少なくないことを反映しているものと思われる。

(2) 再処分の状況

 最近10年間の各年中に保護観察が終了した者について,保護観察期間中に,再度の犯罪・非行により刑事処分又は保護処分(戻し収容を除く。)を受けた者の比率(以下「再処分率」という。)と再処分内容の推移を示したものが4-2-6-8表である。

4-2-6-8表 保護観察処分少年及び少年院仮退院者の再処分率

 再処分率は,保護観察処分少年,少年院仮退院者共に,平成8年までは,おおむね低下する傾向を示していた。しかし,保護観察処分少年の再処分率は,9年以降一貫して上昇に転じ,13年では18.8%となっている。これに対して,少年院仮退院者の再処分率は上昇・低下を繰り返しており,13年では前年よりも1.7ポイント上昇し,25.3%となっている。また,再処分の内容について見ると,両者とも,少年院送致の比率が高く,13年では,保護観察処分少年で9.6%,少年院仮退院者で16.9%となっている。再処分により実刑となる者の比率は,保護観察処分少年が0.2%,少年院仮退院者が0.2%である。