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 平成14年版 犯罪白書 第3編/第3章/第1節/3 

3 調査結果

(1) 犯罪不安に関する実態

 本調査では,犯罪不安について,以下の三つの質問をしている。
1)「暗くなった後,あなたの住んでおられる地域を一人で歩いているとき,どの程度安全であると感じますか。」(以下,「居住地域における夜間の一人歩きに対する不安」とする。)
2)「暗くなってから家に一人でいるとき,どの程度安全であると感じますか。」(以下,「自宅に夜間一人でいることの不安」とする。)
3)「今後12か月の内に誰かがあなたの家に侵入しようとすることについて考えてみてください。それは非常にあり得ますか,あり得ますか,それともあり得ませんか。」(以下,「不法侵入の被害に遭う不安」とする。)
 「居住地域における夜間の一人歩き」に関しては,3-3-1-1図のとおり,「とても安全」,「まあまあ安全」が約80%であり,おおむね安全であると回答している。「自宅に夜間一人でいること」に関しては,3-3-1-2図に示すとおり,「とても安全」,「まあまあ安全」が9割以上に達している。「不法侵入の被害に遭う不安」については,3-3-1-3図のとおり,「あり得ない」と回答した者が約5割であるが,3割を超える者が被害に遭うことが「あり得る」と回答しており,前二者に比べて不安を感じている者が多いことが指摘される。

3-3-1-1図 居住地域における夜間の一人歩きに対する不安

3-3-1-2図 自宅に夜間一人でいることの不安

3-3-1-3図 不法侵入の被害に遭う不安

(2) 防犯意識に関する実態

 防犯意識に関して,本調査では自宅の防犯設備を聞いている。「あなたの家の防犯設備についてお聞きします。あなたの家は,これからあげるようなものによって護られていますか。」と聞き,具体的な設備等として,番犬,お互いの家を監視するための隣人との助け合いの申し合わせ,特別の窓・ドア格子,侵入防止警報機,管理人・ガードマン,高い塀を挙げている。その結果は,3-3-1-4図のとおりである。

3-3-1-4図 住居の防犯設備

 最も多い設備等として,我が国では「番犬」と回答し,次いで「お互いの家を監視するための隣人との助け合いの申し合わせ」,「特別のドア鍵」と回答している。回答は重複選択によっているが,回答者1人当たりの平均防犯設備数は0.6種類である。