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 平成14年版 犯罪白書 第2編/第5章/第4節/1 

第4節 援護等,更生緊急保護及び更生保護施設

1 援護等及び更生緊急保護

 保護観察官及び保護司は,保護観察対象者が,病気,けが,適当な住居や職業がないなどの事情により,その更生が妨げられるおそれがある場合には,公共の福祉機関等から必要な保護が得られるように助言・指導を行っているが,その保護が直ちに得られない場合,又は得られた保護だけでは十分でないと認められる場合には,保護観察所において,具体的な援助を行っている。これを援護等という。
 援護等には,[1]保護観察所が自ら行う食事・衣料給与,医療援助,帰住旅費支給等の保護,及び[2]更生保護施設や個人等に宿泊所の供与等を委託して行う保護があるが,平成13年の実施人員は,次の2-5-4-1表のとおりである。

2-5-4-1表 援護等の措置の実施人員

 前述の「更生保護事業法等の一部を改正する法律」により更生緊急保護を規定する犯罪者予防更生法も一部改正され,更生緊急保護を受ける対象者に,新たに,罰金又は科料の言渡しを受けた者,労役場を出場又は仮出場をした者,少年院を退院し又は仮退院期間を終了した者が加えられた。更生緊急保護は,満期釈放者,執行猶予者,起訴猶予者等や,今回新たに加わった対象者が刑事上の手続き又は保護処分による身体の拘束を解かれた後に,[1]親族等からの援助若しくは公共の衛生福祉その他の施設から保護を受けることができない場合,又は[2]これらの援助若しくは保護のみによっては更生できないと認められる場合に,本人の申出に基づき,身体の拘束を解かれた後6月を超えない範囲において,保護観察所の長が自ら,又は更生保護施設に委託して緊急に保護の措置を講じるものであり,その内容は援護等と同じである。なお,同措置は,本人の更生を保護するため特に必要があると認められるときに限って,更に6月を超えない範囲において行うことができる。2-5-4-2表は,平成13年における保護措置の実施人員を見たものである。

2-5-4-2表 更生緊急保護における保護措置の実施人員